グローバリゼーションが進む今だからこそ「文武一道塾志道館」をお薦めします。
マックスプランク心肺研究所
グループリーダー
中山雅敬(医学博士)
マックスプランク研究所は、マックスプランク学術振興協会が運営するドイツを代表する硏究機関です。マックスプランク研究所は自然科学から社会学まで幅広くカバーしドイツ全土に約80の研究所があります。前身のカイザーウィルヘルム研究所を合わせるとこれまでに30人以上のノーベル賞受賞者を排出し、全研究所を一つの大学のようなものとみなすと予算規模と生み出される硏究成果はアメリカのイェール大学を凌駕し、ハーバード大学に迫ります。
私はフランクフルト市の北約30キロに位置するBad Nauheimという町にあるマックスプランク研究所で2013年から研究室を主宰しています。2017年現在ドイツ、日本、カナダ、イラン、中国、インドから来た研究者9名と共に、心臓血管の研究をすすめています。
ここドイツにやって来て、目標達成のため多国籍のチームを率いて行く上で大切なことは、お互いの違いを認めた上で、その違いを克服するのではなく、マネージしていくことだと痛感しています。
私は中学、高校、大学と柔道に熱中しました。特に京都大学で過ごした大学時代は熱心に稽古したように思います。厳しい稽古、勝負の中から単にスポーツとしてではなく武道の精神を学び、己の弱さを克服し、仲間とともに目標を達成する喜びを知りました。そしてそれを超えかつてのライバル達とともに新たに道を開いて行く経験をしました。これらの経験が現在ドイツでの活動の礎になっていることは言うまでもありません。
克服するのはお互いの違いではなく自身であり、それを超えて 違いを認め合い尊重し、現状を打破して行く力を育てること、グローバリゼーションが進む現在、こういったことが何よりも大切なことと思います。
柔道の開祖である嘉納治五郎師範は、精力善用、自他共栄、尽己竢成、順道制勝を唱えられました。私が現在感じていることは約135年前に嘉納先生がおっしゃっておられたことで、日々の稽古の中からこういった精神が少しずつ身につくのが柔道の素晴らしさです。
文武一道塾志道館では全日本学生チャンピオンにも輝いた坂東真夕子館長の元、一流の技術に触れることができるだけではありません。文武一道を謳う館長の元、練習の前後に道場の畳の上に机を並べ、 一緒に勉強し、古典を読みます。これらの経験を通じ子供達は日本人としての心と武道の哲学に触れることができます。また英語のクラスもあり言葉の違いを感じながら稽古に励むことができます。故に、私は文武一道塾志道館をお薦めします。私も日本に一時帰国した際、時間があれば子供達の練習に顔を出すようにしています。頻度は少ないですが道場でお会いしましょう。
中山雅敬氏 略歴
マックスプランク心肺研究所 グループリーダー/医学博士
1976年4月29日生まれ 岡山県出身
岡山県立大安寺高等学校 卒業
京都大学 卒業
大学卒業後、研究者の道を歩む。修士課程の奈良先端科学技術大学院大学にて貝渕弘三氏に師事し研鑽を積む。ノーベル賞学者山中伸弥氏のラボに在籍経験もある。
名古屋大学に転出になった貝渕弘三氏について名古屋大学へ。
そこで博士号を取得。その後、ドイツに渡り、現在に至る。
名古屋大学 大学院 卒
柔道四段
中山氏のインタビュー記事はこちら
http://biomedcircus.com/special_04_10.html