今、私たちにできること 〜難局の時代にこそ...
館長(コラム・講演・対談) 2020年3月31日はじめに。 新型コロナウィルス感染でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈りすると共に、現在治療中の方々の一日も...
今、私たちにできること 〜難局の時代にこそ...
はじめに。 新型コロナウィルス感染でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈りすると共に、現在治療中の方々の一日も...
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『七帝柔道記(増田俊也・著/角川文庫)』を読みました。
※七帝(ななてい)柔道とは?
https://ja.wikipedia.org/wiki/七帝柔道
面白かった!!本の登場人物は、ある一人を除き全て実名で描かれています。その名前の中に、知った名前の方が二人も出てきて、面白さに拍車が掛かりました。
その『七帝柔道記』の著者・増田俊也氏(北海道大学柔道部OB)と、学生時代の増田氏に多大な影響を与えた北大柔道部の先輩・和泉唯信氏の対談が掲載されている「ゴング格闘技」のバックナンバーを取り寄せ、熟読しました。
現在、神経難病と認知症を専門とする医者である広島県出身の和泉氏の言葉が印象的でした。
「外来診察室に入るときは、やっぱりそこに畳が敷かれているようなイメージじゃ。気が引き締まる。」
「あの空間のイメージ。そう思うと緊張感も取れるし、神聖な気持ちになる。患者さんと接する時に、畳に上がるように最初のドアを開けて入ることは、わしにとって本当にいいことじゃと思う。」
「医療でも非常に厳しい状態とか、シビアな患者さんが続いとる時でも耐えられる、その現状に押し潰されずに持ちこたえられるものをいただけたと思う。それに団体戦だからね、チーム医療も。自分がもういっぱいいっぱいになっても、いい具合に申し送ったり、ヘルプを求めたり、替わることも出来る。自分1人で何でもやらなきゃいけないんではなしに色んな人がそれぞれの能力を活かせばいい。」
〜「ゴング格闘技 March 2014 No.216」より抜粋〜
これは、大学時代に柔道に真剣に向き合った和泉氏だからこその言葉だと思います。
大外刈や背負投、関節技や絞技といった柔道の技術そのものは、社会に出ても何の役にも立ちません。しかし、柔道に真剣に向き合った過去、柔道修行を通して培った精神は、社会に出ても役立つことを私自身も経験しました。
和泉氏のように白衣の下に柔道着をまとっているお医者さん、スーツの下に柔道着をまとっている会社員や公務員、経営者等々、柔道経験を社会に出ても活かしている人はたくさんいると感じます。ここにこそ「柔道」の存在意義・真の価値があるのではないでしょうか。
オリンピックのメダル云々ではない柔道を描き、また決して一選手のサクセスストーリーではない『七帝柔道記』。柔道経験者であってもそうでなくても、おすすめの一冊です!
館長・坂東真夕子
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