【柔道のチカラ】多様性の時代に"軸"を持つ
館長(コラム・講演・対談) 2024年3月7日多様性・ありのまま・自分らしさ、とは? ここ数年、上記のような言葉をよく耳にするようになりました。 言葉そのものは悪...
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2015年5月13日〜16日まで、IBSA WORLD GAMES 2015が韓国ソウルで開催されました。私も5月11日〜15日まで女子コーチとして、日本選手団に帯同していました。
今大会では男子−60kg以下級で、平井孝明選手が銀メダル、廣瀬誠選手が銅メダルを獲得しました!
(写真向かって左端が銀メダルの平井選手。右から二人目が銅メダルの廣瀬選手)
廣瀬選手は、2004アテネパラリンピックの銀メダリストでもあるベテラン選手です。冒頭の『「障がい」は“不便”ではあるが“不幸”ではない』は、廣瀬選手が好きな言葉で、ヘレンケラーの言葉。廣瀬選手は、高校時代に柔道部に入部。柔道の楽しさに取り付かれ、柔道にのめりこんでいった矢先の高校2年生の時、視神経に異常を来す難病「レーベル病」と診断されました。「最初は治ると思っていた」そうですが、2.0あった視力はわずか2ヶ月程で0.01まで低下。その頃は朝起きる度に、視力が落ちているのを実感したとか。
「病院でお医者さんに“この病気はもう治りません”と告げられた時、父はうろたえ、母は泣いていた。そんな両親の姿を見て、“そういうことか…”と思った。それでも不思議と絶望感を感じる事はなかった」。
廣瀬選手は高校卒業後、あんまや鍼灸の免許を取得するため、盲学校へ進学します。勉強は楽しかったそうですが、そこで厳しい現実を突きつけられます。それは、視覚障がい者には職業選択の道がない、という現実です。その時に初めて絶望感を感じたそうです。そんな中、盲学校の先生から、進路の一つとして“盲学校の教員”をすすめられた時は、そこに飛びつき、教員養成課程の道を選びました。
現在、盲学校で教鞭をとる廣瀬選手ですが、盲学校時代に初めて全日本視覚障がい者柔道大会に出場して以来、優勝や準優勝を重ね、数々の世界大会に出場しています。「目が不自由になる前は、県大会の一回戦も勝てなかった自分が、“全日本”と名のつく大会で優勝してしまっていいのか、本当に自分なんかでいいのか…そんな違和感は未だに拭えない」そう語る廣瀬選手ですが、その違和感こそが廣瀬選手が高いモチベーションを持ち続けることができる原動力だと、私は感じました。
廣瀬選手にとって柔道は、“レーベル病”になってからも心の支えでした。「視覚障がい者柔道があったから今の自分がある。視覚障がいがあっても柔道を頑張って活き活きと生きて、障がいのある人たちにとってのロールモデルになりたい」。
2016リオデジャネイロパラリンピックを目指す廣瀬選手ですが、選手生活は2016年までと決めているそうです。その後は、自分の支えになった柔道に恩返しをしたい、と今後の抱負を語っていました。男子−60kg級には、今回銀メダルに輝き、廣瀬選手が「努力の人」と評する平井選手もいます。廣瀬選手、平井選手という実力者同士の代表権争いも、見てる方としてはとても楽しみです。
自身の「障がい」を“不幸”なことではなく、“不便”なだけ、と捉え自らの人生を自らの力で切り拓いてきた廣瀬選手。障がいのある無しに関わらず、その生き方から、学ぶことがたくさんあるのではないでしょうか。
−48kg級 半谷静香選手 2回戦敗退(敗者復活戦1回戦敗退)
−52kg級 石井亜弧選手 5位
−57kg級 三輪順子選手 5位
−63kg級 米田真由美選手 5位
メダルには手が届かず。しかし、選手は個々に善戦しました。もう一つ上のレベルにいく為には、戦略や計画が必要です。そこを練り直して、捲土重来を期したいと思います。(写真は女子−52kg級の表彰式。金メダルはロシア、銀メダルはウクライナ、銅メダルはドイツ&フランスです。)
館長 坂東真夕子
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