柔道技術の壁
港南道場 2019年4月17日「できない」のではなく、「やっていない」だけだ。 この言葉は、私が大学4年生の時に、ある有...
柔道技術の壁
「できない」のではなく、「やっていない」だけだ。 この言葉は、私が大学4年生の時に、ある有...
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志道館では、初心者の方にも分かりやすい技術指導を心がけております。しかし、全てを「教えきる」ことが良い指導方法だとは考えておりません。技術の要点は、各クラスの対象者様に合わせ、丁寧にご指導いたしますが、あえてご自分で気づいていただく、考えていただく部分を残すことがあります。それは、「教えられた」ものより、「自ら学んだ」ものの方が、自分の頭と体に残り、「本物の技」として使えるようになるからです。
特に成年部におきましては、ご自身で技術の理合をつかんでいただく時間を意識的に設けるようにしております。
例を1つ挙げてみます。
成年部4月のテーマである「三角」の実戦練習をした際に、あるご質問がありました。(少し専門的な話になります。)「相手を仰向けに返した時に、相手の左腕がじゃまで、自分の脚をうまくロックできません」という内容です。
これは、三角が上手くかからない典型的な「技術の壁」であり、多くの方がここで行き詰まります。解決策はいくつかありますが、私は答えをお教えするのではなく、皆さんで色々と試しながら考えていただくことをご提案しました。
その結果、約10分後には「①相手の左脇にさしこむ右踵の力を最後までゆるめない・②返す時に左膝を最後まで上げきる」という細かいコツを発見することができたのです。そして、実際にかけてみると、前よりもスムーズに抑え込みまで移行することができました。
自分で発見する楽しさは、柔道の大きな魅力の1つです。全てを教えきってしまうと、その面白さを奪うことにもつながりかねません。それに、1度に全てを説明してしまうと、混乱したり、忘れてしまうこともあるでしょう。年齢や職業も違う皆さんが、「ああでもない。こうでもない。」と汗をかきながら真剣に試行錯誤されているお姿は、とても楽しそうでした。
まさに「 一生勉強 一生青春」(相田みつを氏)ですね。
柔道という「道」にゴールはありません。だからこそ、生涯にわたり続けていく中で、見えてくるものが沢山あるのです。そして、柔道は、体と心の若さを保ち、人生をより充実させてくれます。皆さんも柔道を通じて、「一生勉強 一生青春」してみませんか?
綾川 浩史
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