【柔道のチカラ】教育とは、未来をつくること...
館長(コラム・講演・対談) 2024年6月10日今年もやりました! 昨年に引き続き、都立立川国際中等教育学校附属小学校(以下、立川国際小学校)一年生の体育特別授業「...
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カナダはモントリオールに志道館という道場(柔道クラブ)があります。
1973年に、中央大学出身で1966年全日本選抜体重別選手権大会準優勝者の中村浩之先生が設立。登録者数(入門者数)は450人程。中村先生は1976年モントリオール五輪カナダ柔道チームのヘッドコーチを務めた他、カナダナショナルチームの指導にもご尽力され、オリンピックメダリストも育てています。この度、柔道グランドスラム東京のため来日された中村先生より、文武一道塾志道館の子ども達へ、素敵な贈り物(ワッペン)を頂きました。
中村先生と初めてお会いしたのは、2012年12月初旬。当時私は会社員で、道場設立など露にも考えていない頃でした。柔道関係の先輩からの紹介で、試合のため来日されていた中村先生と一献傾け、「夏頃にはカナダに遊びに行きます!」と約束してお別れしました。
そんな中村先生との出会いから約半年後、試行錯誤の末、道場設立が具現化してきます。その道場に付けた名前が「文武一道塾 志道館」。「志道館」という名前は、中村先生の道場を意識していた訳ではなく、“子どもたちが志を持って、人生という長い道をしなやかに力強く歩んで欲しい”という思いから付けた名前でした。
ある時、母校の先輩に、道場設立についてアドバイスをいただいている際に、「志道館って、モントリオールの中村先生の所と同じだよね」という話しになり、初めて名前が同じであることに気がつきました。前回お会いした際、「遊びに行きます!」と約束しているし、道場経営について勉強もしたいし、何より同じ名前を付けていいか、許可をもらいにいかなければ!ということで、私は2013年7月にモントリオール・志道館を目指し、日本を飛び立ちました。
モントリオールでは約5日間ほどを過ごしました。
滞在中は中村先生に大変お世話になり、夜の食事の時などに様々はお話しをお聞きすることができました。中村先生から道場経営についてアドバイスしていただいたことは、2つ。
「一生懸命やっていたら必ず道は拓ける」
「楽しちゃいかん」
今もこの言葉は私の胸に深く刻まれています。
また、中村先生はモントリオールブレテンという日系コミュニティ情報誌の中で、約40年前の志道館設立当初のことを述懐されています。(以下、中村先生ご自身の言葉の引用です。)
「志道館」では、レクリエーションの人々を選手とを分け、毎日いつでも練習できるようにし、私は朝から1日10〜11時間ほど道場にいる様にしました。
カナダへ来た当時は言葉が不自由なこともあって、自分の体を惜しみなく使って生徒に指導稽古してきました。《子は親の背中を見て育つ》というように、毎日目いっぱい生きていくこと、明日に何も残さないという生き方をしてきたと言ってもいいでしょう。
1968年に、柔道指導のため移民としてカナダに渡り、日本からもカナダからも何の支援もない中、単身で柔道活動をゼロから始め、「志道館」をカナダ一の道場に育て上げた中村先生の発した言葉だからこそ、とても重みのある言葉です。
文武一道塾志道館は、三年目を迎えましたが、まだよちよち歩きです。中村先生がそうされていたように、一日一日を真摯に積み上げ、10年、20年、30年、40年、50年…と続く道場でありたいと、今回の贈り物を手にして、改めてその思いを強くしました。
そして、中村先生からは「うちと坂東さんの所は、姉妹道場でしょ。留学生とか受け入れるよ!」と仰っていただいきました。近い将来、文武一道塾志道館の子ども達の中から、志を抱きモントリオール志道館の門を叩く、若武者が育つことを楽しみにしています。
館長 坂東真夕子
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