あなたの会社にも、柔道サークルを作りません...
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志道館「大人クラス」では、定期的に「投の形」の稽古に取り組んでいます。先日、その「投の形」稽古のスピンオフ企画として、「浮落(うきおとし)」を深堀りしました。
恐らく日本で(世界で!?)唯一であろう“空気投げ研究家“田島大義さんに、いつもとは違った角度から「浮落(うきおとし)」を解説していただき、理解を深めよう!という企画です。
「浮落」とは、柔道の投技(なげわざ)の一つで、柔道の形の一つである「投の形(なげのかた)」の最初に出てくる技です。
動き自体はシンプルなのですが、習得するのはとても難しいです。
普段「投の形」の指導をする中で、私自身「浮落」の理合いがいまいち肚落ちせず、もやもやしていました。
“空気投げ”とは、伝説の柔道家・三船久蔵十段の得意技です。
三船十段の「相手に触れることなく投げ飛ばすことはできないか?」という着想から生まれたと言われる“空気投げ”。
一般的には「隅落(すみおとし)」という技のことを指します。
三船十段の“空気投げ”は、今では幻の技と言われていますが、田島さんはその再現を目指し、約10年間日々研究を重ねています。
その研究成果をもって、各地でセミナー・勉強会を開催。
その様子は、『月刊 秘伝(※)』という武道雑誌にも掲載されています。
また、DVD『空気投げの極意!(BABジャパン刊)』も発売されています。
(※)
月刊 秘伝 2016年11月号「空気投げ講習レポート」
月刊 秘伝 2024年3月号「柔道 五の形」
“空気投げ”を「柔道衣を握る手以外を相手に触れずに投げる技」という定義付けをすると、「浮落」も“空気投げ”と捉えることができる、ということを前提として、今回のスピンオフ企画を開催しました。
今回の「浮落セミナー」のテーマは、『「浮」の崩しを理解する・「落」の投げを理解する』。
まずは、現状の理解のもと、参加者の皆さんが思い思いに「浮落」で互いを投げ合いました。
その後、田島さんより「浮落」の基本的な仕組みについての解説。
柔道の形「五の形(いつつのかた)」2本目を用いたり、実際に体を動かしながら、「浮」の崩しについて・「落」の投げについて、体感することで理解を深めていきました。
その後、各々がさらにレベルアップするために“動きの質を変える基本稽古”に取り組みました。
自分自身が丈夫な構造のまま動くことで、腕力では出せない体幹部の
大きな力を力感なく相手に伝える「辰巳返し(たつみがえし)」。
相手を崩す重さの伝え方を練習する「浪之下(なみのした)」。
これらは、いずれも武術研究家・甲野善紀(こうのよしのり)氏考案のものだそうです。
また、相手の腕を持って足を一歩を出しながら引き落とす稽古では「踏ん張らない効果」というものを体感しました。
最後に、ここまで学んだことを意識しながら再度「浮落」で投げ合い、稽古の成果を確認。
皆さん動きのぎこちなさが取れ、迷いなくスムーズに「浮落」を掛けている姿が印象的でした!
参加者の皆さんにとっても、いつもとは違った角度・視点での技の解説や実技は、とても新鮮だったようです。
私は中学一年生から26歳まで約14年間、選手として柔道に打ち込んできました。2013年10月文武一道塾志道館を立ち上げてから今日までの約11年間は、柔道指導者として柔道に携わっています。
合計で約25年間、柔道と向き合う中で感じるのは、柔道って、本当に奥が深くて、難しい!!ということです。
特に指導者になってからは、柔道には、柔道指導には「正解がない」ということを痛感しています。
そんな中で、常に心掛けているのは、「難しいことを、シンプルに分かり易く、繰り返し伝える」、ということです。
もちろん伝えて終わりではありません。その伝えたことを体感し、できるようになっていただくことが必要です。
“空気投げ研究家”の田島さんは、たまたま手にした甲野善紀氏のDVDを見たことをきっかけに、様々な武術系セミナーに参加。
2013年11月甲野善紀氏より「松聲館技法研究員」認可。
同年、勉強の一環として柔道を始められたそうです。
約10年間“空気投げ”の研究を重ねられてるだけあって、その解説や指導はとても分かり易かったです。
田島さんのように柔道を武術・武道と捉え、その技を研究する好奇心・探求心は、私にとってとても刺激的なものでした。
今回の企画を通して、私自身も大変有意義な時間を過ごすことができました。
田島さんから教わったことを、今後の柔道指導に大いに役立てていきたいと思います。
館長 坂東真夕子
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