こんな時こそ、2019年大河ドラマ「いだてん〜東京オリンピック噺〜」を見るべし!!〜「逆らわずして、勝つ!!」〜

館長(コラム・講演・対談) 2020年4月6日
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この自粛期間を利用して「いだてん」を全話見返し中。

NHKオンデマンド
https://www.nhk-ondemand.jp/#/0/

 

 
この「いだてん」を見始めて間もないタイミングで、脚本を手掛けた宮藤官九郎さんの新型コロナ陽性が判明。
一日も早く回復されることをお祈りしています。

 
 
「いだてん」当時の日本は、主に戦争によって混沌とした社会でした。
日露戦争、日中戦争、満州事変、盧溝橋事件、そして第二次世界大戦へと突き進んでいきます。
この間に関東大震災もありました。

 

苦境の中混沌とした社会を力強く生き抜いてきた日本人の姿、関東大震災後、敗戦後の苦難の中から立ち上がってきた日本人の姿に私は感銘を受けました。
そして同時に、一昔前の先人たちが気概を持って、多くの苦難を乗り越えながら築いてくれたものを、現代社会に生きる私たちはただただ食いつくしているだけなのではないか、と感じてしまいました。
先人が築いてくれた貯金は、いつか無くなります。
では、後世のための新たな貯金を誰が作るのか?
それは紛れもなく私たち責任世代であると思います。

 
 
「いだてん」では、日本のスポーツ界の発展に尽力する嘉納治五郎先生が、むちゃくちゃ魅力的に描かれています(役所広司さん演じる嘉納先生を見るだけでも必見の価値あり)。
 
情熱的で、決断力があり、自ら先頭に立って行動する。
怒ったり笑ったり喜んだり落ち込んだり、、、喜怒哀楽がはっきりしていて、
とにかく優しい。
決して人のせいにしたり人を責めたりはしない。
周囲が無理だと思うような壮大な目標を掲げ、そこに向かって困難にもめげずに常に前進。
柔軟で豊かな発想力を持っている。
お茶目。

 

そんな嘉納先生の口癖は「逆らわずして、勝つ!!」。
 
ここでいう《勝つ》とは、相手を打ち負かすということではなく、お互いに最良の結果に落ち着くという意味であると私は解釈しています。
 
この発想で、次々と困難を乗り越えていきます。
(嘉納先生に限らず、偉大な人の身近にいる人は苦労するもの。恐らく嘉納先生の周囲にいた人たちは大変だったと思います。)
 
 
「いだてん」本当に凄いドラマです。
何が凄いって、これ以上言葉を重ねると野暮になるような気がするので、ぜひご自分の目で見てその凄さを感じてください。
 

※ドラマの概要はこちら。
https://www.nhk.jp/p/ts/X8G1WM8WP6/

 
 
今、世界が混沌としています。
こんな時こそ「逆らわずして、勝つ!!」ではないでしょうか。
「逆らわない」とはどういうことか?
目先の情報に踊らされず、一段高い所に立って「全体を見る」、目の前に起こっている現象だけにとらわれずに「流れを読む」ということだと思います。
そして、その上で自分がどう行動するか(どう勝つか)考え、実行する。

 

嘉納先生の時代よりも遥か昔に書かれた「徒然草」に、こんな意味のことを記した文章があります。
 
「勝つためには、勝つ方法ではなく、負けない方法を考えよ。勝とう勝とうと思うと部分にとらわれる」
 
ここで言う「負けない方法」とは、少しでも遅く負ける方法を考えると言うこと。
するとその間(負けを遅らせている間)に、相手の狙いが見えてくるので、手が打てる、岡田幹彦さん(日本政策研究センター主任研究員)の勉強会でそんなことを学びました。

 
 
この発想はまさしく「逆らわずして、勝つ!!」ということであり、現在、新型コロナウルスに対して日本がとっている戦略(感染のピークを出来るだけ遅らせる)にも当てはまります。
遥か昔から私たち日本人には、日本という国家には「逆らわずして、勝つ!!」という発想・精神が根付いているだと思います。

 
 
この外出自粛期間をどう過ごすのか、「逆らわずして勝つ!!」という視点で思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

 
 
 
 
 
 

館長・坂東真夕子

 

 

 
 
 

 

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