「視覚障害者」と「柔道」〜視覚に障害のある...
幼児・小学生クラス<稽古風景・古典素読・勉学・しつけ> 2015年2月16日目が不自由なのに、柔道なんて!と思ってませんか? 「視覚障害者柔道」とは? 1931年京都府立盲学校で、当時の「体操科...
「視覚障害者」と「柔道」〜視覚に障害のある...
目が不自由なのに、柔道なんて!と思ってませんか? 「視覚障害者柔道」とは? 1931年京都府立盲学校で、当時の「体操科...
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この度、日本ブラインドサッカー協会主催「ブラサカ スポーツ探検隊」の視覚障がい児柔道体験会が志道館で開催されました!
不安な気持ち?ワクワク?
どんな心持ちで道場に来てくれるのかな?
そんなことを考えながら、一人またひとりと集まる子どもや保護者の方をお迎えしました。
柔道着を着るのがはじめて、という子がほとんどだったので、道場生たちが帯の結び方を教えました。
着替えが出来た子どもから正座の練習。「左座右起」←さざうき、と言います。左足から座り、右足で立つ、という意味です。
立つ座る、の練習し、手を足の付け根に揃え、背筋を伸ばします。そして、座礼も練習します。
正座ひとつにおいても、作法があり、目指す美しい形があります。相手に対する感謝、敬意を表現しているようです。
この日、志道館の子どもたちもサポートスタッフとして参加してくれました。「今日みんなは”エスコート役”だよ!よろしくね!」館長の言葉に、子ども達は使命感を感じたのか?戸惑っているのか(^ ^;静かに頷くと、おっかなびっくりという表情ながら、パートナーの手を取って案内してくれました。(柔道着の上だけ来ているのが、今回参加してくれた子ども達)
自己紹介、座礼もエスコート役がサポートします。
館長が拍手で居所を示しながら、ひとつひとつの動作を噛み砕いた言葉で表し、伝えます。柔道をするのが初めての子、「遊びみたいな感じならやったことあるよー」と答える子、6人それぞれの”柔道のイメージ”があるようでした。
館長「”柔道”は、いつ出来たか知ってる?」
子ども「50年前」「80年前?」「100年前!!」思い思いの数字を答えていきます。
館長「今から133年前。1882年に始まったんだよ」
子ども「えーーー。133年前〜?」
クイズのように質問をなげかける館長。子ども達の気持ちを盛り上げながら、嘉納治五郎先生のこと、柔道の基本理念である「精力善用」「自他共栄」のこと、柔道稽古において大切なこと、などを伝えました。
そして、いよいよウォーミングアップ。エスコート役の子の肩に手をかけ、ゆっくりと、そしてだんだんスピードを上げてランニング。続いて柔軟体操をしました。
ほふく前進など、身体全部を使った動きにチャレンジ。飽きない様に競争したり、チーム戦にしながらすすめます。
後ろ受身にも挑戦しました。
「手の位置をしっかりね。大きな音で畳をたたいてごらん!そう、その調子!!」「あごをひいて、頭を打たない様に!」
子ども達に語りかける言葉にも熱がはいります!
だんだんと動きに慣れる子どもたち。
何度も技を繰り返し練習します。
柔道がはじめてでも比較的感覚を掴みやすいだろう、と”大外刈り”という立技を指導しました。ペアを組んだエスコート役の子どもが「ここを持つんだよ」といいながら襟や袖の持ち方を教えたり、「足を開いてしっかり立った方がいいよ」など声をかけて援助しながら、館長の指導のもと、立技の打込みがはじまります。
何度か打込み稽古をした後、皆が順番に館長を大外刈りで投げました。
また、30秒という短い時間でしたが【乱取り】という、ちょっとした試合形式の稽古もしました。
技が決まる度に、子どもたちや見学の保護者の方々から歓声があがりました。
「いいぞぉ」「がんばれー」「もう一本!!」
その声に背中を押されるように、何度も館長に大外刈りをかけます。
最初はちょっと表情が固かった子ども達でしたが、館長に果敢に挑み続けるその顔は、一生懸命で楽しそうで、エネルギーに満ちあふれていました。
参加してくれた子ども達にたずねました。
「柔道やってみて、どうだった?」
子ども達は「競争が楽しかった」「先生を投げたのが面白かった」など口々に答えてくれました。
大きな声で「ありがとうございました!」と座礼をする子ども達。
ひとつのことをやり遂げた清々しい気持ちが、その声にも現れているようでした。
今回の体験を通して、柔道に少しでも感心を持ってくれたらいいなぁと思います。
そしてテレビのスポーツ番組で柔道の話題が出た時に「あの時、道場で受身やったな」「大外刈り?その技知ってる!」と身近に感じてくれると嬉しいです。
そして何より大切なことは「チャレンジするって、楽しい、嬉しい」という気持ちを持ち続けて欲しいな、と。
何かに挑戦し、出来なかったことが少しずつでも出来る様になって、そんな自分を誇らしく思う。その「ちょっとした達成感」が、未来へ自分自身を運んでくれると思うのです。
体験会を終えた夜。エスコート役として参加してくれた道場生の親御様からメッセージが届きました。
そこには『帰宅した我が子が「みんなキラキラしていきいきしていた。将来なにか役に立てる仕事がしたい」と興奮気味に語っていた。いい経験になったようだ』と綴られていました。
志道館の子ども達にとっても、かけがえのない時間になったようです。
もちろん、私たち指導陣にとっても柔道の素晴らしさを再確認できた、貴重な経験になりました。
柔道は相手があってこそ。相手を思いやり感謝する気持ちが大切。相手を尊ぶ気持ちを持ちながら稽古を重ねることで共に高め合う事ができる。
素晴らしい武道です。
組み合う人の息づかいや体温を感じながら、自分というものを知ることができるのです。
子ども達の無限の可能性を信じ、これからも応援していきたいと思います。
側近 近藤ともこ
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